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基本料金の全国平均は1,890円
2015年5月時点でのプロパンガス基本料金の全国平均は1,890円です。 しかし実際には、ガス会社によって1,500円〜2,700円くらいまでと相場から大きな差があるのが現状です。
下記の表からお住まいの地域の基本料金の平均を確認してみてください。
地方 | 基本料金平均 | 戸建の 基本料金平均 |
賃貸アパートの 基本料金平均 |
東北地方 |
1,977円 |
1,878円 |
2,101円 |
関東地方 |
1,646円 |
1,575円 |
1,688円 |
中部地方 |
1,901円 |
1,886円 |
1,936円 |
近畿地方 |
1,903円 |
1,891円 |
1,935円 |
中国・四国地方 |
1,948円 |
1,914円 |
1,983円 |
九州地方 |
1,931円 |
1,902円 |
1,991円 |
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プロパンガスの基本料金はご家庭ごとに異なります!
基本料金はプロパンガス会社が自由に決めることができます。 公共料金である都市ガスや電気、水道は価格設定に国の認可が必要です。 しかしプロパンガスはこの都市ガスとは異なり、価格設定に国の認可を必要とはせず、ガス会社の裁量で決定されています。
そしてガス会社によって1,500円〜2,700円くらいまでと大きな幅があります。 ちなみに、基本料金が比較的安いのは一戸建てで、アパート・マンションなどは高い傾向にあります。
また、同じガス会社を使っていても、ご家庭ごとに基本料金が異なる事もあります。 「お隣さんと同じガス会社と契約しているのに、うちのほうが○○円高い!」なんていうことが起こるのです。 なぜ同じガス会社なのにご家庭ごとに違うのでしょうか。その理由は、価格の決め方にあります。
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基本料金・従量単価は、プロパンガスの輸入価格や為替レート、充填や配送にかかる費用などから計算され決められます。 そのため、輸入価格が高い時期に契約を開始した場合や山間部など配送に手間がかかる地域にお住まいの場合は、ではそうでない時期や地域と比べて高くなることがあるのです。
ここで問題となるのは、輸入価格が高い時期など、高い価格で契約を開始された場合、その後もずっと高いままという事です。 輸入価格が理由で高い価格だったのであれば、輸入価格が下がった時に値下げが行われるべきです。 しかし大抵の場合、輸入価格が下がっても値下げは起きません。 ほとんどの消費者は輸入価格の変動について知りませんから、ガス会社としては「消費者から言われるまでそのままにしておこう」となってしまうのです。
価格が安い | 価格が高い | |
時期 | 輸入価格が安い、円高 |
輸入価格が高い、円安 |
地域 | 人口が多い都市部 |
人口が少ない地域、配送が大変な地域(山間部など) |
建物の種類 | 一戸建て住宅 |
賃貸アパート・マンション |
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基本料金=毎月固定で発生する費用
毎月の請求額の内訳は、基本料金と従量単価とに分かれます。 そのうち基本料金とは、プロパンガス使用の有無にかかわらず必ず発生する費用の事で毎月決まった金額です。 そしてもう一方の従量単価とは、使用量1㎥あたりに掛かる費用の事で、使用量に応じて金額が変わってきます。
そして、毎月の請求額の計算はこうなります。(消費税を加味する場合は請求金額に1.08を掛けてください)
ご自宅の請求額を計算したい方は、プロパンガス料金の計算方法のページをご確認ください。
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このように、いろいろな要因によって基本料金・従量単価は変わってきます。 しかし、ほとんどの会社の検針票や請求書には、基本料金が明記されていません。
もちろんガス会社のホームページ等にも載っていませんから、調べようと思っても調べられないのです。 そのため多くの方が、自宅の単価が高いのか安いのかさえ知らない状態なのです。
このように、消費者が自宅の単価について知らない・興味がないという環境も、単価を高くしている要因の一つと言えます。
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基本料金が安いのは卸売会社
このように価格に大きな差がある要因には、既に挙げたもの以外にもう1つ大きな要因があります。 それは、会社の事業形態です。
プロパンガス業界には2種類の会社形態があり、海外から直接輸入をしている卸売会社と その卸売会社から購入して販売している販売店とに分けられます。
卸売会社は自社で直輸入している分、販売店よりも調達に掛かる費用が掛かりません。 そのため販売店よりも安い基本料金を提示でき、その差はなんと最大で1,200円にもなります。
会社形態 | 基本料金 |
---|---|
卸売会社 | 1,500円 〜 1,600円 |
販売店 | 1,700円 〜 2,700円 |
プロパンガスを節約するには?
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基本料金とはなんの費用?
そもそも、なぜ基本料金を払う必要があるのでしょうか。 その答えとして、安定・安全にガス供給を行うにあたりさまざまな作業が発生しており、そのための費用が含まれていると考えられます。 その費用としては、下記が挙げられます。
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地域や時期によって基本料金は高い場合があるとご説明しましたが、なぜ賃貸アパートは一戸建と比べ高くなるのかと疑問に思ったかともいらっしゃるかと思います。 その主な理由は、2つです。
貸与額が上乗せされている
大家さんが賃貸アパートを新築で建てる場合、各部屋のガス器機を購入し配管工事を行う必要があります。
その賃貸アパートが都市ガスの場合は大家さんがその費用を払うのですが、プロパンガスの場合、その費用をガス会社が負担することが慣例となっており、それを無償貸与と言います。
つまり、「うちが費用を負担しますから、うちと契約してくださいね」ということで、自由商品であるプロパンガス業界ではこのように各社契約を獲得しているのです。
そしてこの無償貸与が高い要因のひとつです。
どういうことかというと、例えば通常なら基本料金は1,500円なのに、無償貸与分を回収するためこっそりと200円上乗せして1,700円に設定する会社が存在しているのです。
本来なら払う必要のない費用が巡り巡って入居者が支払う羽目になっていため賃貸アパートの価格は高いのです。
使用量が少ない分、割高に設定されている
賃貸アパートの入居者は一人暮らしや二人暮らしの方が大半です。 そのため必然的に一戸建にお住まいのご家庭よりもガス使用量が少なくなります。
ガス会社は使用量に応じて増えていく従量料金からほとんどの利益を得ていますから、使用量の少ない一人暮らし・二人暮らしからはあまり利益が得られないのです。
そのため一部のガス会社は、「使用量が少なくて利益額が少ないのであれば、単価を上げて利益を増やそう」と考え単価を割高に設定しているのです。
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一人暮らし、二人暮らしでは基本料金が節約のポイント!
使用量が少ない一人暮らしや二人暮らしのご家庭では、請求額における基本料金の割合が高いため、基本料金をいかに抑えるかが節約のポイントです。
※グラフの金額は全国平均の料金(基本料金1,890円、従量単価523円)で計算しています。
※使用量は一人暮らしの平均値5㎥で計算しています。
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3、4人家族は基本料金から従量単価を計算する事が重要!
これまでご説明したように、基本料金はご契約の会社によってバラバラです。 そして大抵の場合、基本料金と従量単価の高さは比例します。つまり基本料金が高いご家庭は従量単価も高いのです。
使用量が多い3、4人家族以上の場合、従量料金は毎月の請求額の約80%を占めています。 そのため、従量料金のもととなる従量単価をいかに安くするかが節約の鍵になるのです。(従量料金とは、従量単価×使用量で計算される料金のことです。)
※ 基本料金、従量単価は全国平均である1,890円、523円で計算しています。
※ 一般家庭の平均的な使用量である20㎥で計算しています。
そして、この従量単価を計算するためには、基本料金がいくらかを知っておく必要があるのです。
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